高い手数料の投資プラン、割に合わない保険、ぼったくり不動産物件、さらには悪質な詐欺など。何かと物騒な世の中です。
こういった商品・サービスの恐ろしいところは一見私たちの味方に見えるという点です。
「老後のために正しい投資を!」「いざという時に備えて保険を!」「家族のために夢のマイホームを!」
こういったセールストークで私たちを勧誘し、出費を促します。もちろん中には本当に優良な商品・サービスも存在しますが、それ以上に粗悪なものが蔓延しています。悪魔はいつだって優しいのです。
さらには「老後資金2000万円不足問題」によってお金に関する漠然とした不安が広がっている中、良い投資と悪い投資を見分ける金融リテラシーはますます重要なスキルになってくると感じます。
今日は投資の良し悪しを見分けられるようになる、「投資の相場」の一例を紹介します。
- 牛丼の相場は?
- 投資の相場は?
牛丼の相場は?
突然ですが、「牛丼並盛り、1000円になります」 と言われたらどのように感じますか?
「高いなあ」と感じる人が多いと思います。
じゃあ代わりに「牛丼並盛り、100円になります」 と言われたら?
「本当に牛肉?」と考える人が多いと思います。
どちらの場合においても「牛丼並盛りは大体300~400円」と相場を知っているからです。相場を知っているから、正しく値段を吟味し、正しく警戒する事ができます。
じゃあ投資の相場は?
では投資の相場は「利回りは◯◯%」なのでしょうか?
今回は一つの目安としてバンガード社が提供しているバンガード・トータル・ストック・マーケットETFを紹介します。
バンガード社は世界最大級の資産運用会社であり、投資信託の運用額が世界最大、ETFの運用額はブラックロック社に続き世界2位です。その中でもアメリカの優良企業500社から構成される指数、S&P 500と連動するよう運営されているETFであるバンガード・トータル・ストック・マーケットETFが最大の運用額を持つファンドです。
S&P 500に連動するようなインデックス投資はバフェット先生のお墨付きでもあり、ほとんどの個人投資家や機関投資家がこの指数の成績に勝てないために投資の王道とされています。
肝心の利回りと経費は以下の通りです。
利回りは平均約7%、経費率は0.03%(直近のリターンが設定来のリターンと比べて高いのはここ10年続いている米国株の強気相場の為です)
つまりバンガード・トータル・ストック・マーケットETFに100万円預けた場合、大体300円の経費で一年間で大体7万円増えます。
もちろん日本在住の方でも証券口座を開設すれば誰でもここに投資できます。口座開設(NISA口座もOK)、ETFの購入、その後の管理は全てスマホで完結します。
そしてこの「利回り約7%、経費率0.03%」を投資における一つの「相場」と考える事ができます。
これよりも実績の低い投資話があれば、
「VTIでいいじゃん」という判断ができるし、
これよりも異様に実績の高い投資話があれば、
「詐欺なんじゃないかな?」
「隠しコストがあるんじゃないかな?」
「説明してないリスクがあるんじゃないかな?」
という風に健全に警戒する事ができます。
投資詐欺や合法ぼったくり金融商品が多く存在するこの時代。相場を知る事は自分の資産、大切な人の資産を護る最大の防御となります。
ご武運を。
kyuto
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