<シーゲルの一貫性>不可解な株式の性質

Jeremy J. Siegel先生!いつもお世話になってます!

原因は不明だけど、絶大な恩恵をもたらしてくれる株式資産の性質。「シーゲルの一貫性」とは。

皆さんはこんな台詞を聞いた事ないでしょうか?

「米国株の平均リターンは7%」

この平均7%の根拠となっているのが、ジェレミー・J・シーゲル先生が著書「Stock for the Long Run(和名:株式投資)」で発表した研究成果です。

シーゲル先生の「株式投資」より

シーゲル先生は将来のリターンを予想するための過去のトレンドを探る目的で、1802年から2003年の間のアメリカの株式市場と債券市場のデータを集めました。すると驚く事に「株式」は過去200年の間、一貫して6.5〜7%のリターンを維持している事が判明しました。この間アメリカでは経済の中心は農業→工業→サービス業と移り変わり、通貨は金からドルへと移り変わり、情報の伝達は馬車からインターネットへと移り変わりました。世界に目を向ければ大恐慌も世界大戦もありました。こんなにも世の中が変化しているにも関わらず、株式のリターンは何故か一定の水準を維持してきました。はっきりとした原因はまだ誰も説明できていません。

イギリスの投資マネージャーであるアンドリュー・スミサーズとケンブリッジ大学教授のスティーブン・ライトはこの株式のリターンの一貫性を指して「シーゲルの一貫性」と命名しました。

他の資産の平均年率はと言うと長期国債が3.5%、短期国債が2.9%、金は0.1%と株式には大きく劣りました。現金(ドル)に至っては1802年の$1は200年後には購買力が7セント($0.07)まで落ちました。

債券より株式の方がリスクが低い!?

もう一つ特筆すべき点として、他の資産は株式のように長期的には年率が一定していません。これにより、「保有期間が長ければ債券より株式の方がリスクが低い」という驚きの結果が得られます。上のグラフを見ると、保有期間20年以降は債券よりも株式の方が低リスクになります。

結論として、シーゲル先生は「株式は他の資産に比べてリターンが高い上に、長期的にはリスクが低く、長期的に投資するなら株式を中心とするのが正解。」と主張しています。

一般的には株式は高リスク、債券は低リスクとされているので、この結果はかなり意外ですよね。このシーゲルの一貫性を知っていれば投資に対する考え方は変わってくるのではないでしょうか?僕個人として「株は危ない」という曖昧な恐怖心はなくなりました。あくまでも過去の話で未来を正確に予想することは不可能ですが、参考にする価値は十二分にあると思います。ここまでお読みになった方にとっても参考になれば幸いです。

kyuto

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