・○○が欠けている
・米国で累進配当政策を聞かない理由
・もしこうなったら投資してもいいかも
最近「累進配当政策」という言葉を聞くようになりました。簡単に説明すると「配当金を維持もしくは増配していく」という企業政策です。これを掲げている代表的な企業を挙げると三菱商事(8058)、NTT(9432)、花王(4452)などです。株主還元意識の高い配当政策は嬉しい限りですが、イマイチ魅力を感じない理由があります。
実績が欠けている
そう、実績が欠けている場合が多いのです。例として三菱商事(8058)の配当歴を見てみましょう。累進配当政策を掲げてはいるものの、掲げる前の直近12年で3回も減配しています。意地悪な言い方ですが、現状として累進配当政策はまだ口で言ってるだけ。企業が政策を実行できなかった前例なんていくらでもあります。
日本で増配年数トップの花王(4452)や上場以来一度も減配していないNTT(9432)はともかく、三菱商事のようにまだまだ配当実績の低い企業にいきなり「累進配当します!」と言われても自分の資産を預ける気にはなれないというのが正直な所です。今まで散々浮気してきた彼女がいきなり「今までごめんね!これからは浮気しないから!」と言われているような感覚です。
米国で累進配当政策を聞かない理由
さて、インカムゲイン重視の投資家の中には米国株を好む方が多くいらっしゃいます。もともとの風土として企業の株主還元意識が高く、連続増配年数25年以上のいわゆる配当貴族が100社以上存在します(ちなみにこの基準をクリアしているのは日本企業では花王の1社のみ)。
それなのに米国で累進配当政策という単語はあまり聞きません。何故でしょう?
米国企業にとっては毎年増配して当たり前だからです。
そんな事わざわざ宣言する事でもないのでしょう。日本では配当を維持しただけで賞賛されがちですが、米国では増配率0%は非難の対象です。大事なのは今後の配当政策ではなく実際に積み上げてきた増配の実績。
私も安定したインカムゲイン重視で米国株式に投資している1人なのですが、現在のポートフォリオはこんな感じです。時価総額で約62%が連続増配年数25年以上の銘柄となってます。さらに53%は連続増配年数50年以上の配当王。アルトリア・グループ【MO】、3M【MMM】、ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】、コカ・コーラ【KO】、プロクター・アンド・ギャンブル【PG︎】が私のポートフォリオの王様達です。日本には配当王はいませんし、この先20年は生まれません。インカムゲインを目的とするならわざわざ米国株を差し置いて日本株に投資する理由が自分の中に見つからないというのが率直な感想です。と同時に悩みでもあります。
もしこうなったら投資していいかも
配当政策は口ではなんとでも言えるので、日本企業も実績を積んで背中で語って欲しいですね。しかしながら日本企業で実績が一番高い花王もP&Gというほぼ完全上位互換がいるので、配当実績やファンダメンタル的な視点で見ると多分投資する事は無い気がします。
それ以上に重視でしているのは為替リスクと配当控除の存在です。可能性は低いとは思いますが、もしもこの先長期的に米ドル<日本円という状況が続く事態が来れば日本株式も選択肢に入ってくるかもしれません。さらに配当控除制度が拡充され、節税効果が無視できないレベルまで大きくなったら花王あたりに投資するかもしれません。
以上、最近人気の累進配当銘柄について思うことを並べてみました。参考になれば幸いです。
kyuto