2020年2Qの株式投資振り返り

 2020年2Qはとても勉強になった3カ月でした。今までで一番売り買いをしたり、ディズニーとロイヤル・ダッチ・シェルが大減配してしまったり、ポートフォリオの主軸を個別株からインデックス系ETFに移行したり、目指したいポートフォリオの将来像が見えてきた気がしたり、色々と考える事の多い期間でした。

 2020年2Qでの株式投資を振り返って行きたいと思います。今回はいつも以上に盛り沢山な内容です。

<目次>
・2020年2Qの不労所得は$355.69
・ディズニーとロイヤル・ダッチ・シェルの大減配

・個別株からインデックス系ETFへ主軸移行
・IBM全売却
・今後目指したいポートフォリオ像

・おまけ:個人事業の月間売り上げ50万円を達成

・2020年2Qの不労所得は$355.69

 2020年2Qの配当収入は税引き後で$355.69($1=107円換算で38059円)でした。2020年1Qの$378.03と比べて−5.9%の減額です。この期間もずっと積立投資を続けたにも関わらず配当収入が減ってしまいました。これは後述する保有銘柄のロイヤル・ダッチ・シェル【RDSB】の66%の大幅減配とディズニー【DIS】の無配が原因でした。

 このポートフォリオの運用目的は「自分の生活費と喫茶店営業の固定費を支えられる安定した不労所得を生む事」なので、このような大減配は本来避けねばいけない事態です。今回は備忘録というよりも反省文になりそうですね。以下で反省点を振り返っていきます。

・ディズニ【DIS】ーとロイヤル・ダッチ・シェル【RDSB】の大減配

 現在ポートフォリオで個別株を14銘柄保有していますが、うち2銘柄のロイヤル・ダッチ・シェル【RDSB】とディズニー【DIS】が減配してしまいました。シェルは1株当たり$0.47→$0.16と66%減配。ディズニーに至っては$1.76→$0の無配です。

 前者のロイヤル・ダッチ・シェルはいわゆる石油メジャーの一角で第二次世界大戦が終結してから一度も減配した事が無く、株主還元にとても力を入れている企業でした。実に70年以上も減配の無い配当実績です。石油セクターから安定したインカムゲインが得られる優良銘柄として保有していた方は多いのではないでしょうか。

 減配に至った経緯としては、もともと落ち気味の石油価格によって利益が削られ、そこにコロナ襲来により石油需要が削られ、最後にロシアとサウジの過供給合戦に巻き込まれトドメを刺されたという印象です。

 後者のディズニーは言わずと知れた総合エンターテイメント企業(個人的にはエルサとティガーが好き)。映像作品及びそれを配信するDisney+、キャラクターグッズ、テーマパーク、クルーズ船など様々な事業を行っていますが、残念ながらその多くがコロナの影響が深刻です。世界中のテーマパークは閉園、クルーズ船は運航停止、中国のサプライチェーンの麻痺によりキャラクターグッズの生産中止。唯一通常通り営業しているのは新しく配信を始めたDisney+という状況でした。これらの要因の追い討ちとして民間からの圧力によって減配に至った印象です。

ここで考えないといけない事として、以下の3点を挙げてみました。

①予測、回避できた事態だったか?
②何を学ぶべきか?
③どのような対策を講じるべきか?


順番に考えてみます。

まず、①予測、回避できた事態だったか?

 正直厳しいと感じます。

 現代の医療体制をもってしても対処しきれないパンデミックが発生し、世界中の生活様式が一変、経済が麻痺、株式相場が暴落。一般人でこれを予測できた人はほとんど居ないのではないでしょうか。2015年のTEDでビル・ゲイツおじさんが世界規模のパンデミックに対して警鐘を鳴らしていましたが、2020年のこのタイミングで襲来する事を予測できた人は少ないでしょう。(今年急激に視聴回数が伸びた噂のTEDトークをまだ視聴していない方は是非→https://www.youtube.com/watch?v=6Af6b_wyiwI

②何を学ぶべきか?

 個人投資家としては、分散の重要性を強く感じました。私が2020年1Qの時点で保有していた株式は全15銘柄。うち2銘柄が減配しましたが、他の13銘柄はどれも配当を維持もしくは増配しました。この分散のおかげで大きな痛手は回避できたと感じています。ただ、この程度の分散で十分なのでしょうか・・・?
 分散によって得られるリスク低減効果が最大限発揮される銘柄数として、ジェレミー・シーゲル先生は20〜30銘柄、バートン・マルキール先生は40〜50銘柄を推奨しています。一方でチャーリー・マンガー先生のように3銘柄しか保有してない人もいます。私のような一般人はどうすれば良いのでしょう?

③どのような対策を講じるべきか

 色々考えた結果、個別株中心ポートフォリオからETF中心のポートフォリオへ移行します。理由としては今挙げたように分散性の向上と、個別株のみで安泰なポートフォリオを組むのは難しいと感じたためです。下記で詳しく述べてみます。

・個別株からインデックス系ETFへ主軸移行

 投資先を分散する事は株式投資の原則の一つです。理由は一つの企業の業績が落ち込んでも他の投資先でカバーできるためです。

 しかし、ただ複数の企業に投資すれば良いという訳ではなく、セクター(事業分野)も分散させる必要があります。ある事業全体に影響を及ぼすような出来事が起こってしまっても、他セクターへ投資した資産でカバーできるようにするためです。

 個別株のみでポートフォリオを組み上げようとする場合にここで大きな問題に突き当たると感じています。それは多岐に渡る事業を勉強し、その中の個別の企業を分析しなければいけないという点です。

 伝説的な投資家であるピーター・リンチが挙げる「投資において最も重要な事」は「投資先の事業を理解できている事」だそうです。もちろん理解度が深ければ深いほどいいでしょう。しかし、私のような一般人が精通できる分野には限りがあります。自分が実際に働いている製造業界なら他の人よりも詳しいですが、他の業界についてはそこまで詳しくありません。

  『だったら勉強して詳しくなれば良いじゃないか』

 そんな声が聞こえてきそうですが、これは私の投資の目的と少し矛盾します。繰り返しになりますが、このポートフォリオの目的は「自分の生活費と喫茶店営業の固定費を支えられる安定した不労所得を生む事」。勉強に膨大な時間を割かなければいけないようなポートフォリオな時点で「不労所得」とは呼べない気がしてならないのです。

 その点、広く分散されたETFならば今挙げた問題の多くが解決します。運用コストを支払う事で、運用会社が投資先の銘柄を選定、分散してくれるので個人で銘柄を分析する必要性が極めて低いです。ほとんど時間を掛けずに過去200年間で最高のリターンを生み出してきた株式という資産の成長を享受できるのはとても魅力的です。

 そして自分の方針と照らし合わせながら考えた結果、選んだETFはバンガード・米国高配当株式ETF(VYM)です。

簡単にVYMの内容を紹介します。
 ・FTSEハイ・イールド・インデックスとの連動を目的としたファンド(米国株の中でも配当利回りが平均以上の銘柄を優先したインデックス)
 ・フルインベストメントのパッシブ運用
 ・経費率(年率)0.06%
 ・設定来トータルリターン(年率)6.65%
 ・428銘柄(2020年6月時点)
 ・配当利回り3.6%(2020年7月28日時点)

 ・増配率(10年CAGR)9.30%

 業界最安クラスの経費率、広く分散されたポートフォリオ、市場平均の2倍近い配当利回りなどが特徴でしょうか。

 今後はこのVYMを中心に自分が理解できる範疇で特に成長性や安定性が期待できそうな個別銘柄をトッピングするといった方針で投資していきたいと思います。

・IBM全売却

 これはETFへの移行のついでなのですが、「永遠の不発弾」ことIBMと、あまり深くは理解していなかったけどセクターの分散が主な目的で購入していた個別銘柄を全売却しました。おかげでポートフォリオがかなりスッキリしました。

 セクター分散目的で数株持っていた銘柄はともかく、IBMはもともと運用資産の9%弱も保有していました。この度それを全て売却して大部分をアップル(APPL)に入れてみました。売却の決めては①IBMが理解できない、②将来性を感じないの2点です。

①IBMが理解できない

 これは単純に私自信の理解度不足と言ってしまえばそれまで。もともとハイテク分野はそこまで詳しくないです。

 それでもIBMってハイテク分野の中でも特に何やってるかイマイチ良く分からないんですよね。wikiによると『民間法人や公的機関を対象とするコンピュータ関連製品およびサービスを提供する企業』との事。一般人向けのサービスが少ないので親近感は沸きづらいかもしれません。

 これに対して今ポートフォリオに残っている14銘柄はそれぞれある程度は理解しているつもりで、今後も安定したキャッシュフローの成長を期待しています。しばらくはVYMを中心に積み立てていく予定ですが、個々の銘柄も機会があれば買い足していきたいですね。

②IBMに将来性を感じない

 理由はいくつかありますが、一番の理由は毎年繰り返している減収減益。以下がSeeking Alphaから引っ張ってきたIBMの収益です。

 ほぼ全ての数値が右肩下がり。老舗IT企業のかつての輝きは失われ、表舞台からはGAFAによって追いやられてしまいました・・・は言い過ぎかもしれませんが、あまり期待が持ちづらい印象です。

 配当実績をみても、2020年は$0.01と言葉通り最低限の増配でした。増配の源泉は企業の増益なので、この先増配を続けられるかとても怪しく感じます。

 もう一つ気になったニュースは米国防省のクラウド事業(JEDIプロジェクト)の契約を巡り、2020年前半にマイクロソフトとアマゾンがずっと競い合っていた事です。

『あれ?公的機関のクラウド事業こそIBMの出番じゃなかったっけ??壇上にすら立たずにそこまでGAFAに取られて大丈夫??』

 と思ってしまったのは私だけでしょうか。

・今後目指したいポートフォリオ像

 今後はETFを資産運用の主軸にしていきたいので、配当収入の50%がETFから入る状態を目指していきたいです。VYMと個別株の配当利回りが大体一緒なので、運用比率を50%VYMにすれば達成できそうですね。入金頑張ります。

・おまけ:個人事業の月間売り上げ50万円を達成

 最後に株式投資ではなく事業投資のお話。2018年からコツコツ続けてきた個人事業の月間売り上げが50万円に到達しました。粗利益はざっくり30%で15万円ほど。

 『きっと去年の自分が聞いたら驚くだろうなあ(しみじみ)』

 安定性が強みである給与所得で資金を準備し、伸び代が強みである事業所得で一気に稼いで、稼ぎを元に安定性が強みである配当所得を増やしていくという資産形成の王道ルートの一つです(図解はリベ大より拝借)。

 ブログをほとんど更新していなかったのもこっちの事業に集中していたためです。今後も主にこっちの個人事業に時間と資金を集中してみようと思います(なので今年はブログの更新頻度は低くなる予定です)。

次の目標は月間100万円!

kyuto

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