やりたい事の見つけ方 〜前編〜

『やりたいことがあっていいね』
カフェ開業を目指していると話すと高頻度で言われるセリフ。
案外需要のある情報なのかもと思い、自分なりにやりたい事を見つける方法を言語化してみました。

 自分が「カフェ開業」というやりたい事を見つけるまでを振り返ると、大きく2つの段階がありました。それぞれについてちゃんと深掘りしたかったため、今回は前後編の形式にしてみます。

 前編の結論から申し上げると、まずはやりたい事をするための「余裕を確保する事」、具体的には「お金、時間、エネルギーの余裕を確保する事」が肝要であったと感じます。


<お金の余裕>
 社会に出てつくづく思うのは、お金があると何かと都合が良く、お金がないと何かと生きにくい世の中であるという事です。お金があるからこそ衣食住の生活基盤が確保でき、投資による資産収入を作ることもでき、やりたい事に使う事もできるようになります。最低限のお金が無いと、来月の家賃を払えるか、(極端な話だが)明日の飯をどうするかなどと、どんどん短納期の問題に追われてしまい、人生でやりたい事などといった長期的な計画など立てられません。「お金が全てじゃない」とはよく言われますが、これは誤解を生みやすいセリフだなと思います。より正確には「お金が全てではないが、お金以外のものを大切にするためには最低限なお金は不可欠であり、それを欠くと途端にお金が全ての人生になってしまう」の方が現実に沿っているのではないでしょうか。
 自分の経験に当てはめてみると、幸いな事に生活基盤が脅かされるような状況に陥った事は無く、社会人一年目から余剰金を資産形成に充て始める事ができました。始めての給与明細に出てくる単語の意味が分からない危機感から金融の勉強を始め、FP資格を取り、NISA口座を開設し、副業で収入アップと節税に取り組んできました。今でこそ少々まとまった規模の資産を持てるようになったのは間違いなくこのような行動の積み重ねの結果であり、自分のやりたい事を「どう実現させるか」考えられるようになったのは、この経済的基盤が一役買っているのは間違いないです。

“Having money isn’t everything, not having it is.”
― Kanye West

<時間の余裕>
 もちろんお金があっても、時間が無ければ何もできません。むしろお金よりも時間の方が有限なので、時間の余裕を持つ事の方が難易度も優先度が高いのかも知れないです。誰にとっても1日は24時間と平等。生きるためには睡眠と食事に時間を充てる必要がある。残りの時間のうち、学生ならば学業、会社員ならば日々の業務にかなりの時間が割かれる。毎日移動や身支度もしないといけない。多くの人は家事もこなさないといけない。私たち一般人にとって本当に自由に使える『自分の時間』というのは案外少ないです。
 『自分の時間』を大切にするようになったのは社会人になってからだったのは、「会社員の給料=会社に自分の時間を切り売りして給料を得ている対価」というイメージを持っていたからかもしれません。よく自分の基本給/残業代を勤務時間/残業時間と割って時給を算出し、自分の時間の価値を測ってはその安さに悩むような可愛げのない新社会人でした。
 もちろん新社会人の立場で金を稼ごうと思うと、短期的には残業が一番手っ取り早い手段ではあるのですが、上記の通り算出した時給が当時の自分にとってはあまり魅力的に思えず、基本的に定時でさっさと帰宅して副業や資格勉強の自己投資に時間を費やしました。その方が長期目線では自分の人的資本の価値向上、ひいては将来やりたい事のための資金を準備しやすくなると思ったからです。そう判断してくれた当時の自分には感謝しています。自分にコントロール可能な範囲で時間の余裕を確保したおかげで自分のやりたい事について考え、行動する事ができました。

<エネルギーの余裕>
 お金と時間の重要性を説くビジネス書が多い傍ら、エネルギーが同等に取り上げられているケースは少ないように感じます。実際にはお金と時間があっても、エネルギーが無ければ何の仕事もできません。物理法則にもなっているくらいです。病床に伏している大金持ちなんかが、お金と時間はあるけどエネルギーの無い典型例でしょう。
 エネルギーに余裕のある状態とは何かを深掘りすると、「心身が健康であること」が最重要であると思います。そのためには日頃からの心と体のケアが欠かせません。私が過去の自分に一番感謝しているのは、ストレスを溜めない事よりも、そもそもストレスが発生しないような生活を心掛けてくれた事です。全くストレスの人生は張り合いが無さそうですが、定期的に発散しないといけないような生活にはもともとあまり惹かれませんでした。
 ストレスを発散するのにも大抵はお金と時間が掛かるし、コスパが悪かったり長期的に悪影響が大きい場合が多い。ストレス発散のため帰りに飲みすぎて、翌日二日酔いで仕事のパフォーマンスが落ちたり、長期的に肝機能が弱まってしまう人がたまに居ますが本末転倒に思えます。私の場合、仕事帰りに好きなラーメン食べて8時間睡眠を取っても全然ストレスが解消できない場合、ストレスの発生原因を避ける事を意識してきました。
 具体的に辞めた事は楽しくない飲み会、特に興味の無いゴルフ、電車通勤など。ストレスになる行動を減らす事で帰宅後も他の事をやるエネルギーを確保する事ができ、併せてお金と時間も浮かす事が出来ました。

<最後に>
 今回はお金、時間、エネルギーの順番で書きましたが、この順番に特に意味はなく、これら3つは全て同等且つ同時に追求すべきもので、これらが3つが一手で改善できる事も少なくありません。楽しくない飲み会とかはその最たるもので、食費も割高だし、時間も取られるし、気疲れしてエネルギーも奪われるしで本当に良い事無いですよね。
 こうして自分と向き合う余裕が出てきたら次のステップです。自分の実体験を中心に後編にてご紹介します。

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