【要点和訳】ビットコインは持つべき?チャーリー・マンガーの回答

 2021年2月24日に行われたバークシャー・ハサウェイ副会長のチャーリー・マンガー先生への一問一答がとても示唆に富んでいたので、個人的に気になったビットコインに関する質疑を和訳してみました。何かの参考になれば幸いです。

Q. What is the biggest competitive treat to US banks like Bank of America and US bank, both equity holdings of the Daily journal corporation, over the long term? Is it digital wallets like PayPal, Square or ApplePay? Bitcoin? Decentralized finance or something else?

(質問)バンク・オブ・アメリカやUSバンクに取って最大の競合は何でしょうか?ペイパル、スクエア、アップルペイ、ビットコイン、分散形金融、それとも違う何かでしょうか?

※ちなみに質問は一般の方から寄せられたものから抽選で選ばれています
※独断と偏見によってチャーリー・マンガーの日本語訳は関西弁です

A. Well I don’t think I know exactly what the future of banking is and I don’t think I know how the payment system will evolve. I do think the a properly run bank is a great contributor to civilization and that the central banks of the world like controlling their own banking system and their own money supplies. So I don’t think Bitcoin will end up the medium of exchange for the world. It’s too volatile to serve well as a medium of exchange. It’s really kind of an artificial substitute for gold and since I never buy any gold, I never buy any bitcoin. I recommend other people follow my practice.

(回答)将来の銀行や決済システムがどう進化していくかは分からへん。けど、ちゃんと機能する銀行は文明の発展に大きく貢献する存在だと思うし、これからも各国の中央銀行は自分とこの銀行システムとマネーサプライは自分らで管理するのが好きやろうな。だからビットコインが世界共通の通貨になる事は無いと思うんや。交換の手段として機能するには価格の変動が激しすぎる。人工的な金の代替品みたいなもんなんだが、わしは元々金を持たないからビットコインも保有する事は無い。他の人もわしに続く事を勧めるで。

(kyuto)これは私自身ビットコインに関して以前から抱いてる最大の疑問です。もともと交換の手段として開発された技術なのに、こんなに価格がコロコロ変わって価値が保全されていない状態で果たして通貨として機能できるのでしょうか。

A. Bitcoin reminds me of what Oscar Wilde said about fox hunting. He said it was the pursuit of the uneatable by the unspeakable.

(回答続き)ビットコインを見てるとオスカー・ワイルドのキツネ狩りに対する比喩を思い出すんやわ。彼はそれを「口にできない者による口にできないモノの追求」と言い表していたんや。

(kyuto)これはかなり痛烈な批判だなあという印象でした。オスカー・ワイルドはアイルランド出身の詩人なのですが、当時イギリスの貴族階級で流行っていたキツネ狩りの不毛さを差して、unspeakable(口にできないほど悍ましい者たち。ここでは動物を追い詰めて殺す事によって快楽を得ている貴族を差している。)によるuneatable(食べられなくて役に立たないもの。キツネ肉は食用には適さないため。)の追求と表現しています。チャーリーはビットコインと仮想通貨投資家をこれに重ねているのでしょうか。

 私自身はビットコインが完全にuneatbale(無価値なモノ)だとは思いませんが、ここ最近の価格の乱高下を見るとあまり自分のお金を投じる気にはなれません。色んな理屈を並べる人がいますが、個人の資産形成においては必要性を感じません。どうしても17世紀のチューリップ・バブルと重なってしまって、短期的に大きな利益を出す事が目的の投機となっているケースが多いように感じます。もちろんそれが目的で投機性も理解しながらやっているなら良いのですが、熱気に呑まれて投資と投機の区別が曖昧になってしまうとハッピーエンドを迎えるのは難しいかもしれません。

以上、チャーリーのインタビューの要点和訳+筆者の戯言でした。

kyuto

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