質問「生命保険はどのようなプランにするべき?(子持ち家庭の場合)」

 先日質問箱で以下のような質問をいただきましたので私なりの考えをまとめようと思います。

 改めまして、質問ありがとうございました。こういう質問をいただく事で自分の考えをまとめる機会にもなるのでとてもありがたいです。しかし、あくまでも私個人の意見です。ファイナンシャル・プランナーの資格は取得し継続的に勉強もしていますが、私自身は独身なので家庭を支えた経験は無く、生命保険にも加入していません。あくまでも参考程度でお願いします。

 本題に入る前に、まず30代前半で貯金額が3000万円ある事が素晴らしいと思います。今まで積み上げてきた色々な努力の成果ですね。このくらいあれば色々と選択肢があると思います。

 さて、私が質問者様の立場でしたら次のように考えを整理していくと思います。

①生命保険の目的を明確化
②必要な額を予測
③加入するなら基本は掛け捨て
④無理のない額で資産運用を始める

 順を追って説明していきます。

①生命保険の目的を明確化

 生命保険に関わらず、保険や投資商品を利用する場合はまず目的を明確にする事が重要だと思います。これが決まっていないと自分の家族にとってどれが最適なプランか吟味する事が難しくなります。

 今回の議題は生命保険の選び方なので、まず生命保険の利用目的を明確にします。質問文を参考に、ここでは目的を「自立前の子供の子育て費用」として話を進めてみます。賃貸にお住まいとの事なので、大きな負債も無い前提でいきます。

②必要な額を予測

 次に必要な額を予測してみます。子育て費用の試算でポイントとなるのは養育費と教育費でしょうか。

 AIU保険会社が発表した『現代子育て経済考』(2005年度版)には、0歳から22歳までにかかる養育費は1640万円と算出されています。また、オール公立の場合、教育費は約1100万円との事です(こちらの記事を参考にしました)。合計でざっくり2700〜2800万円です。

 お気づきでしょうか。実は3000万円の貯金ですでに足りています。さらに国の公的保険から年間約100万円(遺族基礎年金78万円+子の加算額22万円)の遺族年金も支給されます。貯金の大部分を万が一の場合の子育て費用に充てる事が可能なのであれば、そもそも生命保険には加入しない事が最初の選択肢かと思います。

 そもそも保険の役割は「万が一の事態に陥った時、経済的に困窮してしまうのを防ぐ事」だと私は思います。万が一の事態に陥った時に経済的に困窮しなくて済む準備が整っているのであればそもそも保険に加入する必要性は小さくなります。

 入る必要がある保険が無い状態が理想的な状態とも言えます。

※一つ重大な注意点として、日本の教育費はとてもインフレのペースが早いです。お子様が今何歳かにも寄りますが、就学時期を迎えるまでの学費の上昇も計算に入れておいた方が良いでしょう。

③加入するなら基本は掛け捨て&共済系

 とはいえ、預貯金を全額子育て費用のために取っておくのはあまり現実的では無いかもしれません。そのような場合は生命保険に加入した方が良いのですが、基本的に仕組みが分かりやすくて、コスパの良い掛け捨て型の県民共済で十分というのが私の意見です。

 民間保険に入るとしても、基本は掛け捨てとなります。貯蓄性の保険は資産運用の選択肢としてはあまりにも手数料が高く、使い勝手の悪い商品だからです。

 具体的にはメットライフ生命SOMPOひまわり生命あたりが評判が良いですね。こちらも保障額を決めて加入する前にご家族のライフプランに合わせて必要な額を考える必要があります。

④無理のない額で資産運用を始める

 最後に、無理のない額で資産運用を始めれば将来がより盤石になるかと思います。まだ30代前半なので、投資において最も成績を左右する投資期間を長くとる事ができます。これによって資産運用のリスクは抑えられ、複利効果によって将来的のリターンを大きくする事ができます。

 今では優良な投資商品がたくさんある世の中なので(それ以上にゴミ投資商品もあるので注意が必要ですが)、自分のリスク許容度に合った商品を見つけて今の時期から運用を始めてみる価値は大きいと思います。

 オススメはやはり全米株式または全世界株式に連動したインデックス投資系で手数料ができるだけ低い投資信託かETF(例えばヴァンガード社のインデックス系ETFならほとんどが手数料0.1%以下)でしょうか。未来がどうなるかは誰にも分かりませんが、全米株式は年利だいたい7%、全世界株式は年利だいたい6%の実績があります。最初の一歩として小さな額から積立てみて、自分のリスク許容度を測ってみるというのも良いかもしれません。株式のリスクが大きすぎると感じたら債権ETFを適宜混ぜていくのもいいですね。

(投資はあくまでも自己責任で!)

以上、参考になれば幸いです。

kyuto

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